仕事でドイツからきた客人と会話中、こんな話を耳にした:
「青少年に与えるドーピングの悪影響を考慮し、ドイツではめっきりロードレースのTV中継が減ってしまって寂しい」と。 ビッグレースですら生中継はなかったりするという。 テレコムのチームぐるみともいえるスキャンダル以来というもの、ドイツでは硬派な姿勢が続いている模様。 そんな中、ふと丁度10年前の今日のトクダネアーカイブを見ていて気がついた。 当時フランスでも、スキャンダルの影響があり、レースが消滅しつつあったということ。 懐かしのミディ・リーブルがまだ開催されていた頃の話。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ トクダネアーカイブ: 2002年4月20日 5月22日から26日の間、フランスのラングドック地方を中心に繰り広げられるミディ・リーブル。丁度ジロ(5月11日―6月2日)、TOJ(5月19―26日)、ツアー オブ ベルギー(5月22―26日)とレースが目白押しになるこの時期は、レース チェックが随分忙しくなる。 実は、今年、個人的にミディ リーブルに少々注目していて、主催者に 本レースに関する資料提供を依頼したところ、丁度コース内容が新聞発表された時期だったらしく、その新聞記事をスキャナーで読み取ったものをEmailの添付ファイルで送ってくれた。最近は、フランス人も随分親切になったし、またスキャナーだとかEmailだとか、媒体的にも随分便利になった。(<== 現在注:時代を感じる。メールの普及で喜んでいる自分) そして、この新聞記事によると、今年のミディリーブルには、ランス アームストロング、ローラン ジャラベールがエントリーされている。チームは現在14チーム。AG2R、ビッグマット、コフィディス、ボンジュール、CA(モロー、ベッシー)、CSCティスカリ、エウスカルテル(エチェバリアx2、昨年の覇者マヨ)、ファッサボルトロ(ジロに出ないメンバーがエントリーされているのだろう。今日時点で名前があがっているのは、バルダート、ギュストフ、ゴンチャール、イワノフ、ローダ、モントゴメリー)、FDJ、iBANESTO(マンセボ、オサ兄弟)、Jドゥラトゥール、オンセ(イゴールG、ヤクシェ)、サンカンタン(移籍したリネロ)、USPで、あともう1チームが後からセレクトされる。 特に、オンセとバネストは、ジロ出場を最近になって取りやめたため、ジロに向けて調整していた選手が、こちらのレースに流れる模様。また、7月6日のツール開始の1ヶ月強前に行われるレースとして、ランスの調整ぶりも見ものだろう。 特に、ミディリーブルの今年の特色が、ラスト2ステージが山岳コースとなっていて、最後の最後まで勝者がわからない。このラスト2つの山岳コースを、ランスがどう料理するかが実に見所。 ところで、このミディ リーブル、実は存亡の危機に面している。昨年、ツールドフランス、ミディ リーブル、ドルフィネといったフランスのレース主催者は、ドーピング撲滅のためのプロトコルにサインをかわした。 しかし、今年のパリ ルーベで、ドーピングコントロールがないがしろにされたことを受け、ミディ リーブル主催者は、アンチ ドーピングの倫理に反する今後の事態を懸念し、倫理規範に則ったレース運営が困難とされるようになった場合は、来年からレースの開催を中止すると表明した。 無理もない。このレースの主催者は、ラングドック地方のローカル新聞ミディ リーブル紙なのだ。こうした独立系のローカル紙主催のレースとなると、いろいろとデリケートな問題も出てくる。スキャンダルでも起これば、一気に新聞の購読にも響きかねないし、ドーピングとの戦いを取り上げるジャーナリズムの立場からもまずいこと。 同時に、予算の問題もある。ここ数年の自転車レースに対するイメージ ダウンで、スポンサー離れがあり、予算確保が難しい。とはいえ、ジャジャ、ランスといった一流の選手がエントリーしているミディリーブル。選手からも、監督からも、一流のレースと見なされていることには間違いない。主催者の長である、NJ ベルジュルー氏は、強い口調で、きっぱりと語った。「ミディ リーブルでは、注射器の氾濫は許さない」と。
by maillotvert
| 2012-04-20 08:30
| Road Races
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